日本語学習者として、最も頭を悩まされているのは日本語にある似たり寄ったり且つ数えきれないオノマトペです。
私たち外国人は自分と同じ身の外国人が日本語をどれだけ話せるかを判断する際に、日本語のボキャブラリーの多さより日本語のオノマトペ(疑問語や擬態語)をちゃんと使いこなせるかのほうに注目しています。
ある程度のボキャブラリーを保有すると、確かに自分の気持ちや伝えたいこと等ほぼ難なく伝えることができますが、さらに正確にニュアンスまで伝えようとするならば、オノマトペを使わないと、何となく伝えきれてない感もありますし、また、日本人と会話する時に、何となく言っている意味が分かったとしても相手の会話に含まれている繊細の感覚や情報を聞き逃すこともありますので、オノマトペの勉強は我々にとってかなりの難関です。
そもそも、オノマトペってなに?
擬音語(擬声語):動物の鳴き声や物音、自然が出す音を表した表現。
擬態語:ある無生物の「もの」の様子を音に表す言葉。
辞典に記載されるだけの日本語オノマトペは4500語だと言われています。それはまだどんどん増えてきていますし、漫画やネットで生まれたオノマトペはその4500語に含まれていないようです。人の感覚によってオノマトペの新しい造語も日常生活に表れている気もします。
オノマトペは日常生活に溶け込んで使われているので、自分の伝えたい感覚まで分かってもらえる欠かせない表現方法です。逆に相手の感覚をうまく読み取るにもオノマトペの勉強が重要です。
今までオノマトペの重要さに気付いていないわけではありませんが、なぜこのタイミングでブログにまとめようと思ったかというのは、この前にツィターに赤ちゃんが安定して歩けない様子をつぶやこうとした時に、どんなオノマトペを使うかとても迷ったのがきっかけとなりました。
よぼよぼ、 がたがた、 ぐらぐら
のような不安定さを表す言葉をいっぱい思い付きましたが、どれにするか頭を傾げても正解が出なかったので、改めてググったらどれも正解ではありませんでした。
何でこの三つで迷うの?「がたがた」と「ぐらぐら」なんて全然使う場面が違うやろう?!
しかし、私から見れば、「よぼよぼ」も「がたがた」も「ぐらぐら」も物事が不安定で揺れている様子を表しているので、どっちも使えそうではないかと思ってしまいます。
(ネイティブが意味など一度も考えたことがなく当たり前に使いこなしているオノマトペですが、言語学習者は一つ一つ意味をちゃんと勉強して似ている意味を持っている単語に関して使い分けも場面場面で覚えてはいけません(´;ω;`))
「がたがた」
揺れる意味が含まれる使い方は、
① 重くて大きなものが揺れるさま。
例:がたがた揺れる旧式のバス
② 恐ろしさや寒さのため、身体が激しく震えるさま。
例:みんなの前でプレゼンするので、緊張しすぎて足ががたがたと止まらなかった。
「ぐらぐら」
揺れる意味が含まれる使い方は、
物が揺れ動いて安定しないさま。事柄や気持ち等動揺するさま。
例:歯がぐらぐらする。 地震で建物がぐらぐらする。
以上の「がたがた」や「ぐらぐら」は「もの」が安定しないさまを表しているオノマトペだと調べてようやくはっきりしました。
「よぼよぼ」
老人が衰えて体のしっかりとしないさま。また、力がない足取りで歩くさま。
「よちよち」
幼児等が頼りない足どりで歩くさま。
「ぼ」か「ち」の一文字違いで年が半世紀以上離れてしまいますね。
なぜ中国人の私は物の揺れ動く様子も赤ちゃんの頼りがない歩く様子もお年寄りさんの力がない足取りをこんなにもごちゃ混ぜしているかというと、以上の「がたがた」「ぐらぐら」「よぼよぼ」「よちよち」は中国語で全部一つの言葉で訳することができるからです。
それは「摇摇晃晃」yáo yáo huàng huàngです。
ちなみに、「摇摇晃晃」yáo yáo huàng huàngと訳していいオノマトペは他にもこんなにいっぱいあります。
ゆらゆら、ぶらり、ぶらっと、ふらふら、ひょろひょろ、よたよた、ぐらり、よろよろ…

まとめ
① 我々外国人にとってオノマトペはなぜ難しく思っているか?
・意味が連想しづらくて覚えにくい
・似ている言葉が多すぎて混同しやすい
・母語にはないオノマトペに関して使い分けしづらい
② 日常会話に影響がほとんど出ていないのに、さらにオノマトペを勉強したいのはなぜなのか?
・日本語にはオノマトペでしか自分が伝えたい意味を表す言葉が多い
・もっと豊かな日本語表現を身に付けたい
・オノマトペはとても日本語らしい表現なので、もっとネーティブに近付きたい
・自分の感覚等の繊細な部分をより正確に相手に伝えたい
③ 今後どういうふうにオノマトペを勉強していくか?
私自身の経験からすれば、学校でほとんどオノマトペの学習指導を行われてこなかったので、オノマトペの勉強は日本に来てから日本人の友人との日常会話を通して覚えたりテレビ番組やドラマを鑑賞することで徐々に使えるようになりました。
しかし、来日年数につれ、日常会話に支障を感じなくなったせいで、日本人とコミュニケーションをとる際にも、何となく意味が分かれば、そこまで追求しないと日本語そのものに対する熱が下がりました。
したがって、オノマトペをよりうまくマスターしていくため、オノマトペに対する探究心と鋭敏な臭覚を持つべきです。
オノマトペの基本表現の本を読むほか、日常会話やテレビ等のツールを用いてオノマトペを抽出して耳で覚えるように意識をすること。また、漫画に沢山のオノマトペ表現が含まれているので、漫画を通してオノマトペを勉強する方法も考えられます。
☆最近、オノマトペ勉強のために、この一冊を購入しました。

日本人がよく使う日本語会話オノマトペ基本表現180 (Speak Japanese!)
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おすすめpoint
・挿絵もついていて読むと苦痛にならない。
・場面ごとにイラストと説明といくつかの表現があって分かりやすい。
・英語訳も表示されているので、最近英語勉強にはまっている私にとって一石二鳥。
・英語と日本語のどちらからでも引ける索引があり、日本語はすべてローマ字で引けます。
【本の一部例】ザーザー
音を立てて激しく降る雨の様子を表す。
Expresses rain that is coming down loudly and hard.
今度から「よちよち」がスッと出てくるようにオノマトペをしっかり身に付けましょう!